何年前でしょうか。
まだ我が家の2階のフリースペースを仕切る前の頃ですから、
息子が5歳くらいだったでしょうか。7年前ですね。
真冬に2階で息子と汗だくになりながら野球をしていたんです。
半袖半ズボンに裸足でした。

我が家の「元」野球場(柵越えホームランも可能)
ちょっと異様な光景だったと思うんですが、
「あついー」と言いながら外に出た自分の頭から、
湯気が出ていたのを覚えています。
おばんです、一級発熱士イガリです。
新居でしたから薪ストーブの火力調整が分からなかったのです。
薪を投げ入れ投げ入れ投げ入れ…..気づいたら真夏になっていました。
そんな薪ストーブちゃんは、
ひょんなことから我が家にやってくるのです。
あれは我が家を計画中のとある日の午後でした。
イトウ社長「ストーブ買い替えようかと思ってる」
猪「じゃあ、ください。」

イヌ小屋と扇風機とトイレシート
かくかくしかじか、我が家へお迎えすることとなった薪ストーブちゃん。
イトウ家からのバトンを繋ぎ、毎シーズン酷使されてたくましくなって参りました。
薪ストーブ。
楽なものではございません。
薪は原木提供を探し回り、現地で車に積み込んで、
自宅でチェーンソーで切り、斧でひたすらに割って割って、
そんでもってそれを一輪車に山盛りにして、
ふらつきながら薪棚に運んで積み上げて、
そして振り返ったら、まだ手付かずの丸太と目が合う。
もちろん薪を割らねばストーブを使ってはならないなんてことはありませんから、
購入して快適に利用されているOBさんもいらっしゃいます。
その中には、なぜか薪を割ることに固執している者もいます。
私です。
好きなのだと思います。
お金を掛けないこ…ではなく体を動かすことが。
薪割りは楽しいですし、
原木が手に入るとなったらウキウキしますし、
転がった丸太を見て胸が躍ります。
ご自身で薪ストーブ本体や煙突の掃除をされる強者もいらっしゃるようですが、
ワタシの中のなにかが「それは無理だ…」と反応しまして、
薪ストーブを扱うDLDさんに毎年1回、お掃除を依頼しております。

DLDさんのお掃除が終わり、お見送りする狂犬リク。
皆さんお察しの通り、便利なものではないかもしれません。
白いTシャツに煤がついて意気消沈しますし、
煙が逆流して大慌てになることもありますし、
外出後に妻と「どっちが着火すんの」と沈黙の攻防が起きます。
(すべて使用者が悪いのですが)
ただ、薪ストーブに限らずですが、
暮らしを楽しんでいる実感が湧くものだと思います。
何不自由なく、手を煩わせることもないまま
快適に暮らすことには違和感を覚える人間なので、
我が家には合っている設備なんですよね。
真冬に「外寒い~!」と言いながら、
ストーブの前に両手を近づけて息子と二人で温まる。
なんだか子供の時の思い出と重なるようでした。

放置されるニンテンドースイッチ。
皆さんは、手間が掛かるけれど楽しめていることはありますか?
もしくは、あまり意識はしていないけれど何だか満たされるモノやコトはありますか?
それは、これから家づくりをされる人にとって大切なヒントになるはずです。
いま思いつかなくても、たとえ小さなことでもきっとあるはずなんですよね。
あの頃の自分に言いたい。
君は楽しみながらやるさと言っていたはずだ。
思っていたよりも、
芝刈り大変だからね?
(我が家の庭の場合です)