それはね~アナタが悪い
が口癖である者がいる。
聞いた数は100回を下らないであろう。
いや、正確には言われた数なのである。
こんなことがあったんですよ、という話をすると定型文の如く返してくるのだ。
ただ彼はなにも癖のある者というわけではない。
ただシンプルにイガリが悪い、それだけだ。
いつか言われたい、アナタはね~悪くない、と。
おばんです、悪者です。(悪者ではありません)
そんなワタクシのくだらない話をいつも机の向こうで
聞いてくれるのが小熊さんなのですが、
彼とは出会って何年なのでしょう。
おそらく13.14年?くらいですね、長いぞ…。

まともに写真に納まったことが一度もない。
前職でも同僚であった小熊さん、福島県飯坂町ご出身でございます。
1984年生まれですので、41歳。
といいましてもずっと一緒なのでなんだか28歳くらいの感覚ですね。
(動きが軽いので28歳とみなします)
何事もコツコツ積み上げていくタイプでして、真面目。きっと真面目です。
コツコツ続けたランニングは20kmを越えるに至り、
走り過ぎてカカトを痛めて現在は無念の無期限休止中になります。
主に施工管理を担当し、モノづくりの最前線に立つプレーヤー。
俗にいう「監督」ですね。
でも勝負どころでは自ら技術を発揮する多彩な監督です。
現場って色々な状況が襲い掛かってきて、
大変だぁー!!ってことが起きたりもするのですが、
「絶対にぶれない」
そんな人なのです。
出来ない理由を探すのではなく、どうしたら出来るのか。
最善を尽くせていないと思えば、とことん居残る。
こういうタイプの監督って、嫌がる職人さんも居ると思うんです。
「細かいなぁ~」って、煙たがられたりするんです。

長女Kちゃんには煙たがられているらしい。
まどいの職人さんたちは、僕たちと長ーく組んでくれていますから、
もうその辺のことは分かった上で付き合ってくれます、感謝です。
お施主さんと接する時間が長いのはイトウ社長やシズさんなので、
お施主さんには伝わりにくいことではあるのですが、
現場に接する時間は間違いなく彼がナンバーワン。
そんな立場にある人がこういうタイプって、
僕がお施主さんだったら嬉しいです。

この椅子もテーブルも彼が自作している。でも煙たがられているらしい。
これまで小熊さんが担当したOBさん、
そしてこれから小熊さんに担当されてしまうお施主さん、
見えないところで彼のこだわりがめちゃくちゃ込められていますよ。
図面に描かれたものを1分の1スケールで作り上げるのが僕たちの仕事ではありますが、
ただそのまま右から左へ作るなんてナンセンス。
より良い答えはないものか、数ミリ単位で考えて、意見して、ぶつけあって、
その過程を経て納得したモノを現場で作り上げるんですね。大変なんです。
現場でぶつかり過ぎて身体が削れて帰ってくる、そんな男が彼です。

米ケ袋Sさんちの地鎮祭で子供たちとキャッチボールする元球児。
ですので、僕たちは年間で何棟も動かすことが出来ません。
それほど熱量を注ぐし時間も費やすからですね。(それでも彼はこなしそうですが)
よく一生に一度の家づくりと言われますよね。
エネルギーを要することだったりします。
ですがですよ、
僕たちにとっては何棟もあるうちの一棟なわけなんです。
何だかドライな言い回しなのですが。
彼はそんな『何棟もあるうちの一棟』を、
あの熱量でこの先何百回やり続けるのでしょうか。
「走り切ったぁー!」とか
「疲れたぁー!」とか
「楽しかったぁー!」とか
お引渡し後にお施主さんは叫ばれているのかも知れません。
オグマさんも叫んでいると思います。帰りの車内で。
(家で叫んだら煙たがられますからね)

お酒を抱えて笑う、人様の家の守り神。
人様の家づくりはどんなに走り切っても、
カカトを痛めることはありませんから、
これからも全速力で駆け抜けるのでありましょう。
GO!GO!オグマ GO!GO!オグマ。